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「杮葺き
(とんとん葺き)」

杮板(コケライタ)葺とは、サワラ、杉、栗、ヒバ、桧などの割板(厚さ3mm以下、長さ30cm、巾12cm内外)を葺き足3cmに順次葺き重ね、1枚毎に竹釘で止め付けていく屋根である。原木を玉切りし、大割包丁、銑、木粉包丁(図4)等を使い平板を作る。板の割り方には柾目割りと板目割り(平割り)があり、その他に機械割り(挽き割り板)とあり、柾目が一番上等である。平割板は挽割板と異なり表面が滑らかでないので、重ねて葺いても空気の流通があり、毛細管現象による雨水の進入も防げる。
作業はまず軒付から施工。広小舞、茅負いの上に軒付裏板を付け、軒付板を必要枚数積重ねる。この時、板内部の通気性を確保するため尻手に桟木を入れ透かして止め付ける。小口を削り揃える。上目板を取り付け長さ30cmの平板を3cmの葺足で順次葺き上げる。10枚毎に銅板巾≒6cmを入れていく。

杮落し

新築または改築した劇場などで、初めて行われる興行のこと
杮葺きの建物では新築(改築)工事の最後に杮(木端)を払い落すことで完成を意味したことから由来する。

とんとん葺き

杮板などを竹釘でリズミカルにトントンと打ち付けていくことから、杮葺きや土居葺きのことをとんとん葺きとも言う。
では「トントン拍子」の語源は・・・・・?